ベネズエラのインフレが年率100万%に達する見込みだ。なぜこんなことになってしまったのか?インフレ率100万%というのは日本におきかえるとどういうことなのか?考察していく。
ハイパーインフレとデフォルト
ハイパーインフレの原因は国債の乱発にある。そして、その国債は必ず外貨建てであり、輸入に頼っている国というのが条件になる。
- 国債乱発
- 国債が外貨建て
- 輸入に頼る
国債乱発
簡単に言えば借金しまくるということである。借金が返せなくなった時に、国というものはどうするのか?紙幣を刷りまくるしかない。日本でも、政府の借金を日銀が紙幣を刷りまくって、買い取っている。
国債が外貨建て
紙幣を刷りまくるのは、まあよい。しかし、紙幣をすっても外貨建ての国債だと外貨をゲットして、返済しなきゃいけない。例えば、日本円で返済しなきゃいけない国債だと、日本円をゲットするために為替市場で自国通貨と円を交換しなきゃいけないのだ。
自国通貨の価値がどんどん下がる中で日本円をゲットしようと思えば、下がった分だけお金を刷らなきゃいけない。価値の暴落に対して刷らなきゃいけないので際限がなくなる。際限なしのハイパーインフレの完成だ。
輸入に頼る
輸入する際には、外貨で輸入物を売買しなきゃいけない。相手先が自国通貨で決済してくれるとは限らないからだ。そうなると通貨への信認がないと、輸入物は非常に高いものになる。輸入を無理やりしなきゃいけないとなると、またお金を刷りまくる必要がある。
日本の借金は大丈夫なの?
ベネズエラとは違い日本国通貨での借金だから、ベネズエラみたいになることはないだろう。しかし、借金が多すぎることには変わらないし、金を刷りまくっているのは事実である。
まあ日本の場合はデフレなので、金を刷りまくるのは経済効果があるし、日本は輸出大国なので、為替価値が下がっても、その分輸出で有利になるので、インフレは抑制される傾向にある。
しかし、日本が輸入に頼るようにばかりなり、外貨を簡単に獲得できなくなれば、それは分からなくなる。だから日本国民が日本経済を支えていけるようにサービスや製品を創出し、輸出競争力をつけていくことはインフレ観点からも重要である。
キャッシュレス化の流れ
キャッシュレス化をベネズエラは進めたばかりに、取引が円滑になった分、インフレ速度が増したとの指摘もある。紙幣をたくさん持ち運ばなくていいから、インフレ率に合わせてきちんと請求できる分、きちんとインフレが進んだのだろう。
キャッシュレスなので、得た自国通貨をそのまま外貨を獲得したり、仮想通貨などに変えていくので、資本がどんどん流出しさらにインフレが進む。
通貨の信認の大切さ
日本円が仮に、価値が信じられなくなれば、みんなドルや仮想通貨、ユーロになどに変換するはずだ。信認がなくなれば自国通貨は他のものと交換される。つまり売られるので価値がスパイラル的に落ちていく。
こうなると経済はめちゃくちゃになってしまうのだ。だから中央銀行という存在が重要なのだが、発展途上国の中にはまだまだ金融をコントロールできるだけの力と経済政策に精通した人材が少ない。