PERとPBR。PERは時価総額を純利益で割ったもの。時価総額とは何か?純利益とは何か?PBRは時価総額を純資産で割ったもの。では、純資産とは何か?わかりにくい、わからないという人のためにわかりやすく説明します。
Contents
時価総額とは?
そのお金があれば、会社をまるごと買える額だと思ってください。今回は上場企業の例でいきます。上場企業というのは上場してますから、株価が毎日変動しています。そして、上場企業は株式を発行しています。
つまり、株式を買い占めることができる額というのが時価総額です。例えば、株式会社まつやんが発行株式数10000個で株価が10000円だとすると、時価総額は10000×10000=1億円です。1億円あれば、株式会社まつやんを買収できちゃいます。
純利益とは?
1年間頑張って働いて、税金を払った後の手元に残るお金です。例えば、株式会社まつやんが今期2億円の売上をあげました。経費が1億円かかりました。売上2億-経費1億=利益は1億円です。税金が30パーセントかかります。1億×0.3=税金3000万円です。手元には7000万円残りました。
7000万円が純利益になります。
ただ、実際の企業運営だと、この7000万円現金で残るわけではなく、1年の間でパソコンを買ったり、事務所としてビルを買ったりして、現金を実物資産だったり、無形資産に変えていくので、単純ではなくなります。この現金が資産に化けることで、会社の実情が見えにくくなってしまうのが、会計の難しいところであり、PERの難しいところでもあります。
ちょっとだけ長くなりますが、この会計の難しさに関する話をさせてもらいます。株式投資の肝にもなる部分ですから。
純利益は、嘘をつく場合がある。
先ほどの株式会社まつやんの例だと、7000万円の純利益でした。しかし実質は利益が0円でも、純利益7000万円と会計上することができるのです!びっくりするでしょ?それについて解説します。
先ほどの例だと、売上2億-経費1億=利益は1億円ということでしたが、実際は経費が2億円かかっていたという場合があります。例えば、株式会社まつやんがゲーム会社だったとしましょう。
売上2億円、経費1億円、新作ゲーム開発費1億円だとすると、手元に残るお金はいくらでしょう?経費と新作ゲーム開発費で1+1で2億円かかっているので、手元に残るお金は0円ですよね?
でもね、手元に残るお金は0円でも、利益1億円とすることが会計上は認められてしまうのです!どういうことかといいますと、上記の新作ゲーム開発費。これ資産として計上することができちゃうのです!
無形固定資産のソフトウェア仮勘定として、資産1億円に計上してしまいます!そうすると、資産ですから、経費にはならない!そうなると、利益1億円として会計上はカウントされて、税金3000万円払いなさいよということになってしまいます。
手元に残るお金は0円なので、税金3000万円払わなくちゃいけない。とんでもない話ですよね!実際、こんな会社ゴロゴロあります!
しかもですよ、新作ゲーム開発費を経費に計上してる会社と資産として計上してる会社がごっちゃになってるんです!それでいて、同じようにPERの指標を使っている。もう訳わからんですよね!
PBRの純資産とは何よ?
企業って、税金払ったり、銀行から金を借りたり、商品を分割払いしてたりするんですよ。こういう将来払わなきゃいけない借金みたいなのを負債っていいます。一方で、現金だったり、先ほどの新作ゲーム開発費だったりする無形固定資産だったり、土地、建物、商品の在庫とか、そういうのを資産といいます。
この資産から負債を引いたものが純資産といいます。
いや、ちょ待てよ!現金はいいんだぜ!でもよ、新作ゲーム開発費って資産に入れちゃあかんやろ!商品の在庫とか売れないかもしれんじゃないか、そんなの資産としてカウントしてもいいのか?
そんな疑問を持ったあなた!素晴らしい!投資家としては素晴らしい!でも会計上は許されちゃうんです!!!
資産としてバリバリカウントします!売れなさそうなとんでもない商品在庫もバリバリ資産計上です!逆に処分費かかりそうなやつでも資産計上です。大丈夫なのかと思いたくなりますよね。
現金は裏切らない!
まつやんは、ソフトウェア仮勘定とか、謎の商品在庫とか大嫌いです。0円としてカウントしてもいいんじゃないかと思ってしまうぐらいです。でもね、そんなまつやんでも、財務諸表の中で、カウントしようかと思うものがあります。それは…
- 流動資産の項目全部
- 固定資産の投資有価証券
流動資産の項目
流動資産の項目なんですけども、まずは現金です!
これはまず裏切らないし、粉飾決算もまずできない項目だと思います。現金の項目を粉飾してたとしたら、もう会計とか人間とか終わってます。上場企業では、聞いたことないですし、現金の証明というのはあるかないかはっきりしてますから。
流動資産の項目で気になるのは、後は売掛金と商品在庫ですかね。そもそも流動資産なんで、1年以内に回収が見込まれてるものなんです。回収というのは現金化できるってことですね。
ただ、たま~に、偽りの売掛金が紛れ込む場合があります。つまり売れてもないのに、売ったことにする。そうやって利益を大きく見せるってことですね。売掛金が会社規模と比較して、めちゃくちゃ大きい場合は要チェックです。
そういう場合は有価証券報告書に売掛金先が書いてあることがあります。調べましょう。正当性がある売掛金先なのか?調べましょう。本店所在地も調べましょう。たまに、凄いど田舎の廃墟みたいなところだったりする場合があります。
実際にそういう粉飾事件があったことがありました。まあでも、売掛金があまりにも多い場合には、投資を見送る場合がまつやんの場合は多いですね。なんというか、大体そういう会社って、違法行為してないくても、怪しい会社だったりすることが経験上多いんですよ。そして、そういう会社って株価上がりにくいんですよね。
固定資産の投資有価証券
これね、国債とか、そういう手堅いのだったらいいんですよ。定期預金とかもいいですよ。でもね、たま~にデリバティブとか怪しい会社の株を買ってたりするんですよ。
これも有価証券報告書でチェックです。たまに調べても書いてないことがあるんですよね、その他みたいな感じで。そういう場合はIRに電話しましょう。教えてくれることが多いです。まあでも、この項目はない方が安心できますね。やっぱり現金が一番!
PERとPBRを使って割安株を見つける方法
さあ、上の文章を全部読んでくれた人ならわかると思います。PERとPBRをどう使えばいいのか?それは…
- 資産の中で現金に近い資産が多いこと
- 経費を資産計上をあまりしないこと
上記の二つが出来てる会社ならば、PER、PBRは機能します。要するにキャッシュを生成する能力があるのか?キャッシュがたくさんあるのか?この二つが満たせているかどうかということですね。
キャッシュフロー計算書なんてのもありますけど、あれもあんまり使えないような気がします。それよりもまつやん式のPER、PBRで割安株を見つける方法。どうでしょう?
自分でいうのもなんですが、結構使えると思ってます!ぜひお試しくださいね!