スウェーデン総選挙は、波乱なく、中道左派の勝利と終わった。一方で、反移民をかかげる民主党は議席を大きく伸ばした(42→60)。難民政策の難しさは世界共通であり、日本も人口減問題があるので考えなければいけない問題である。
EUは難民を断ってはいけない
EUの実質的な盟主である、ドイツの方針である。いや、ドイツの方針というよりはメルケル首相の方針かもしれない。なので、首相交代となれば、その方針は揺らぐ可能性がある。
もともとドイツは東ドイツ、西ドイツに分かれていた。東ドイツ出身のメルケル氏はその素性からも、難民に対して積極的に受け入れようとする心情があってもおかしくはない。
難民による治安悪化と職のなさ
人が増えれば雇用がその分埋まる。難民は職をあまり選ばない。貧困ゆえに職を探しにさまよっているからだ。そうすることで、人件費が下がる。
既存の住民からしたら、難民がやってくるメリットはない。しかし、国家としては、労働力を確保し、またその人たちが消費することでGDPが確保できる。
景気が良くなり、また安い人件費で生産が可能になれば、対外貿易の力も身につく。国家としては難民はデメリットよりもメリットの方が大きいのだろう。
安倍首相も難民受け入れ派である。
安倍首相は国民よりも国家をどちらかと言えば大事にする人だ。国家は国民によって成立し、また国家の強さは国民にとって有益なことでもある。
なので、どちらが優先されるとかはないはずだが、それでも、どちらを優先するかで政策は変わってくる。日本という国は少子化傾向にあり、人口を維持するためには移民を受けれていく方向が必要だ。
日本は表向き移民をあまり受け入れないイメージだが、実際はかなりの人間が日本に働きにきている。コンビニや牛丼屋、ラーメン屋の従業員の人たちの東南アジア系の人たちの割合は多い。
日本は既に移民国家になっていると思う。
失業率と治安悪化と生活保護問題
移民はそもそも貧困ゆえに移民になっていることが多い。つまり職業技能に欠けていることが多い。そうなると、いざ移民になってきても、職につける可能性は正直、低い。それどころか、生活保護をもらうために移民になる人間も多いのが実情だ。
イギリスなんかでは、そのことに嫌気がさしてEU脱退の動きになった。他の国でも反移民政党が躍進している理由にはそれが多いだろう。
失業中の移民が街にあふれれば、治安悪化は避けられない。そうなると、観光などにも悪影響が出てくるだろう。ヨーロッパもそうだ。
職を用意できるかどうかと、移民の労働意欲、既存の国民の理解。このへんをきちんとクリアできないと、移民問題は解決しない。
EUの最大の問題点になりつつある移民問題。EU解体となれば、ユーロの価値も今よりなくなるだろう。経済へのインパクトも含めて、これからも注目していかなければいけない。
それこそリーマンショック以上の株価大暴落を引き起こすだけの問題規模なのだから。