日本ファルコムの会社概要
社長
近藤 季洋
2007年に32歳で社長に就任。
なので、相当優秀な人なのだろう。実際にファルコムは常に黒字ですし、IP戦略は成功してる。
元々ファルコムのファンサイトを運営していたことがきっかけで就職に至ったようだ。
会長
加藤正幸
こちらは創業者である。若い近藤社長に会社を託したのだから相当な器の持ち主か?今のところは上手くいっているが、実権を握っているのは加藤氏なので、彼の意向には常に左右される可能性は考えておくべきだ。
社員数
49名
この人数を増やせば、売上も利益も上がるのではないか?普通はそう考えるがファルコムはチームの連携を重視するので極端に人を増やしたりすることはない。(近藤社長談)
平均年収
539万円
優秀な人材が多いようなので、待遇は良くなってきているらしい。
実際に年収は高いと思う。
株価
723円
権利確定日
次回は2017年9月末が予想
時価総額
約74億
2016年9月期決算
売上|約14.6億
営業利益|5.8億
経常利益|5.8億
当期利益|3.8億
直近5年全て黒字。この規模のゲーム会社でここまで安定した業績を出している会社はほとんどないと思う。日本ソフトウェアでも赤字も割と出すし。ケイブに至っては、コンシュマーを撤退している。マーベラスもソフト部門は波がある。
貸借対照表を見てもその財務体質はまさにパーフェクト。現金をたっぷりと保有し、会計基準も開発費はその期に計上するスタイル。なのでソフトの販売がない時は赤字になるが、あくまで保守的な会計手法によるものだ。通期ではきちんと黒字化している。
また、海外での認知度も順調に伸びており、北米、アジア共にこれからまだまだ開拓余地がある。
予想PER
14.8倍
時価総額を考慮すると、低め。
日本ファルコムの特徴
ファルコム音楽フリー宣言に代表されるように、ユーザー志向の会社である。この宣言はクレジットがあれば使用料なしでファルコム音楽を利用してよいとする太っ腹なものだ。またIPを大事にしているのでIPは色々なコンテンツで使用されてる。
- カラオケ
- キーホルダー
- カレンダー
- ポスターなど
IPが愛されているからこその展開でもある。ツイッターのフォロワー数も15万人を超えており、ユーザーの会社へのロイヤリティーも高い。それに応えるべく、無料の漫画をアプリで配信したり、ファルコムを答えている。また本社は立川市にあり、その地味さもまたファルコムらしいと言えよう。
貸借対照表から財務分析
2016年4Q時のデータを参照する。
現金化がほぼ確実で簡単なモノ
キャッシュ38億円、売掛金1億円。投資有価証券1億円。
負債総額
3億円。
なんてキャッシュリッチな企業なんでしょう。そして見やすい。透明性の高さを感じる。開発費を無形固定資産に積み上げて、特損を出すKlabなんかとは経営方針が全然違うことが分かる。それが悪いとは言わないけどね。ファルコムが会計上保守的な企業であることは分かるね。
事業内容の分析
製品部門とライセンス部門からなる。
製品部門
その年に作って販売する国内ソフトの売上がここには反映される。
主力としては軌跡シリーズになる。このシリーズを作る年は決算が良くなる傾向あり。
しかし、それだけでは先細りなので新規IPにも挑戦中。
東京ザナドゥなど成功させているので、マーケティングのセンスも一定には達している。
ライセンス部門
スマホ向けにキャラをコラボさせたりなどもあるが、基本は海外販売とリメイク作品からなる。
KADOKAWAなどに移植を任せているようで、ここの部門の売上はほとんど利益に直結する。日本ファルコムが高収益を保っているのはこのライセンス部門によるところが大きい。
経営理念・戦略
比較的、新規事業へ慎重な姿勢を保つ企業だが、収益化を模索する姿勢は近年強く感じる。LINEスタンプやオンラインゲームの暁の軌跡などIPのロイヤリティ獲得と知名度向上へ施策は進んでいるようだ。
株価の急騰への材料
スマートフォンゲーム
株価の急騰が期待できるとしたら、スマホゲーム関連のIR期待だろう。
決算短信にもスマホ展開については触れられているので、楽しみにしてもいいのではないだろうか。
中国展開
2014年末にChangyouと提携している。続報が全くないので、どうなっているのか分からないが当然これも材料になるだろう。2015年には近藤社長が中国でのイベントをこなしている。なので、中国市場は引き続き注目だ。PS4などこれからの市場なので。
IP一覧
軌跡シリーズ
空の軌跡から10年以上も続いているシリーズ。シリーズものは、新規のユーザーが付きにくいようにも思うが実はそうではないことを証明した作品。当初は2Dの作品で、今の3Dのクオリティについていけるか課題があったが、大分良くなっているように思う。このシリーズは熱烈なファンが多く、スマホで軌跡シリーズのアプリがリリースされれば、株価2倍も十分視野に入るだろう。
イース
2016年に数年ぶりに出したシリーズだが大好評。作り込みに定評がある日本ファルコムの評判をまた確固たるものにした。売上の方は大したことなかったが、ユーザーの確保はできたと思う。またイースシリーズは海外での人気が高いので、今回の成功は大きいし、今後につながるだろう。
東京ザナドゥ
2015年に新規に立ち上げ。新規IPにしては検討したと思う。ファルコム作品としてブランディングに成功した。時間をかけて作るので年間で作れる本数が少ないのが課題ではあるがその分クオリティに偽りがないので、強みでもある。
関係する会社・人物
コナミ
コナミとの関係は2017年現在でも深い。ファルコムは優秀なIPをいくつも保持しているが、それでも会社規模は小さい。なので独自に海外の販路を持つまでの余裕がないのでコナミが代わりになって海外販路を提供している。また東京ゲームショウなどもコナミの支援があって出店が成立している。
セガ
近年は活動はないが、かつては共にゲーム開発学校を運営していた時期などもあった。セガ・ファルコムという共同出資会社もあったほどだ。
任天堂
ファルコムはあまり任天堂のハードで作品を発表しないことから、険悪な仲なのではなど妄想されることが多い。しかし、ぐるみんなどのIPは任天堂で発表されている事実を考えるとそういうことはないと思われる。近藤社長は常々どのユーザー層がどのハードを所有しているかなど、丁寧にマーケティングしている節をインタビュー答えているので、ファルコム信者が任天堂ハードには少ないという判断であると推測する。
新海誠
「君の名は。」の監督である新海誠氏は実は日本ファルコムのOBである。たまにインタビューでも日本ファルコムの名前が出てくることからも、険悪な仲という訳ではなさそうだ。新海監督とのコラボなんてことになれば、それこそテンバガーの思惑にもなるが、可能性はそんなに高くないか?
株主総会のまとめ
重要な内容のみをPICKUP!
2016年12月20日、日本ファルコム株主総会の様子
- 閃の軌跡ⅢはPS42017年秋発売
- 閃の軌跡ⅢはVITAではやらない
- 東京ザナドゥのIPは大事に育てたい
中国展開の続報や、スマホアプリについては質問が出なかったみたい。なんで株主は聞かなかったんだ!来年はワシも行きたいぞ!さて、内容を見て気になる点を挙げるとしたらプラットフォームを絞ったことだ。VITAを捨てることでPS4に注力できるのは良いが、その分売上が減る可能性がある訳でそれを補えるだけのものをPS4で得られるかが鍵になるな。ブラッシュアップを頑張ってPS4らしい作品にして欲しい。