ARMSがニンテンドースイッチのキラーに!?任天堂【7974】の企業分析レポート!

任天堂の会社概要

 

社長

君島達己

一橋大学法学部卒、三菱東京UFJ銀行在籍中に、任天堂創業者の山内溥に請われる形で入社。ゲーム作りうんぬんの社長さんではないみたい。なら、抜本的な改革が期待できるか?と言えばそうでもなく、高齢なので次の社長までの繋ぎの印象。あまり思い切った経営判断は期待できなさそう。そもそも岩田社長は任天堂を大きく変えていこうとする中で亡くなられたので、それを踏襲する形でも問題ないのかもしれないが…

 

本社の住所

京都市南区上鳥羽鉾立町11番地1

この規模の会社になると、人件費の高さよりも、優秀な人材を集めるかがひとつの勝負になる。

 

社員数

5101名

ちなみにDENAが2363名だから、そんなに多くはないかもしれないね。

 

平均年収

899万円

平均年齢が38歳。
高給だね(笑)相応の結果を出してもらいたいところだが、最近の業績は正直微妙。しかし、コンテンツはヒット出してるよね。スプラトゥーンとか。

 

株価

23750円(2017/1/13)

 

権利確定日

次回は2017年3月末が予想、次は9月末、年2回。

最近は業績がしょぼいから配当が出ないけど、配当性向50%ぐらいは期待してよい企業。ケチではない。

 

時価総額

約3.36兆円

大手家電並みの企業価値。

 

過去4年の決算

この4年は、あまり儲からなかった4年だった。印象としては任天堂3DS、WiiUの失敗。逆ザヤで苦しんだ4年だった。ニンテンドースイッチは逆ザヤが発生しないなら、ある程度は期待できるが、鍵となるのはキラーコンテンツだろう。そういう意味では苦しみながらも、スプラトゥーンという新規IPをWiiUでヒットさせたのは次につながることだったと思う。

 

単位/億 売上 営利 経利 当期
2016 5044.6 328.8 287.9 165.1
2015 5497.8 247.7 705.3 418.4
2014 5717.3 -464.3 60.9 -232.2
2013 6354.2 -364.1 104.8 71

 

予想PER

57.0倍

相当な期待をされていることは分かる。

 

貸借対照表から財務分析

 

2016年10月26日決算のデータを参照する。

 

現金化がほぼ確実で簡単なモノ

任天堂に関してはザックリ、有形、無形固定資産を引いたもので判断して良いと思う。
約1兆2000億円

 

負債総額

約1600億

 

ネットキャッシュ

約1兆円。キャッシュリッチであることに間違いないが、時価総額との兼ね合いで言えば、企業価値が2.3兆円なくてはならない。今の任天堂にそこまでの価値があるだろうか?スマホゲームの台頭で厳しい局面にあるのは間違いない。

 

事業内容の分析

 

ハード事業とソフト事業に分けて説明してみる。

 

ハード事業

本質的にはここで利益を出すべきなのだが、そうもいかないのがゲーム業界。赤字になっても普及に努めなければいけない。なぜならばソフトを売るためにはハードがないと土俵にも立てないからだ。長らく任天堂はハード事業で逆ザヤになることが多く、赤字に苦しんできた。しかし、今回の任天堂SWITCHは逆ザヤにはならなそうだ。

 

ソフト事業

ソフトには二種類ある。サードパーティーのソフトと自社ソフトだ。任天堂は自社に強力なIPを抱えているので、任天堂だけでもなんとか黒字にできるだけの実力があるが、最盛期のように営業利益5000億レベルを狙うには、サードパーティーも盛り上がらなければ不可能だ。任天堂はDSでライト層を取り込み大きく利益を伸ばした時期があったが、同時にコア層はソニーのPS陣営に流れていった。

まつやんもゲームをするのだが、この棲み分けはゲームをやる側にとって非常に厄介で、任天堂のハードは任天堂IPだけはやりたいけどサードは自分の肌に合わない。またPS(プレステ)ソフトは面白いけど、ハード二つも買うのはお金がもったいないという現象が起きる。結果的に両方ともなんとなく買わないという世代(ゲーム機の世代ね)もあった。

また任天堂はライト層を取り込んで成長したのが現在は裏目に出ていて、ライト層がスマホに流れてしまったのが痛い。プレステ陣営はコアゲームが多いので正直任天堂ほどの影響はないと思う。現在の任天堂が目指している方向を、行動から分析すると、ライト層に対して任天堂IPを認知してもらうためにスマートフォンゲームにおいて、IPを貸し出したり、簡易ゲームを制作したりすることのようだ。あくまで宣伝媒体の位置づけに感じる

 

今後の株価急騰への材料・成長性

 

Niantic, Inc(ポケモンGOの運営・制作会社)の持ち分

ポケモンGOの売上に関しては、ネット上でも様々な意見がある。まず一つの事実として把握すべきなのが。

 

任天堂による、ポケモン株式会社の出資比率は32%あること。

 

次に、ナイアンティックについて箇条書きでまとめると…

 

  • ナイアンティックはグーグルからスピンアウトした会社である
  • 2015年10月、株式会社ポケモン、グーグル、そして任天堂から2000万ドルの出資を受けている
  • 一定の成果を上げた時に、追加で1000万ドルの出資を受けられる契約が存在する
  • 出資比率は非公開である

 

そして、「ポケモンGO」により、任天堂は2016年4-9月期で営業外収益120億円を計上しているということだ。

 

これらの条件を元に、ナイアンティックに対しての出資比率を検討していく。

 

ナイアンティックに対しての出資比率を予想

時系列から細かく予想しているブログを発見したので、リンクを貼っておきます。

これによると、現在はグーグル23%、任天堂23%、ポケモン株式会社23%、残りがその他(フジテレビも4%?Fuji&gumiといい、結構頑張ってるな…)の出資比率らしい。追加で1000万ドルの出資が実現すればさらに比率が高まると予想されているが、とりあえず置いておこう。

任天堂は2016年4-9月期で営業外収益120億円を計上しているが、報道によると、株式会社ポケモンの持ち分法による利益が要因とのこと。ナイアンティックは持分法適用会社になっているのか、なっていないのかが気になるところだ。

ちなみに持分法適用会社とは、議決権が20パーセント以上50パーセント未満の非連結子会社および関連会社が対象となる。もし、持分法適用会社ならば有価証券報告書に書いてあるはず。

ナイアンティックが持ち分適用会社か検討しているページ

このブログだとナイアンティックは持分法適用会社であると結論づけてますね。まとめると。

 

  • ナイアンティックの四半期最終利益が120億円
  • 120*議決権の20%だと24億でポケモン株式会社のインパクトと比較すると薄い

 

ナイアンティックの時価総額を予想

四半期利益120億*4だとすると通期480億。PER20倍だと約1兆円。出資比率23パーセントだとすると、任天堂に2000億以上の特別利益をもたらす可能性はある(・∀・)??

出資者がたくさんいるので、ナイアンティックは上場イグジットのタイミングは見計らっているはず。上場関連のニュースが出てきた時に再び任天堂が注目される可能性があるだろう。株式会社ポケモンの上場の方が面白そうだけど(´・ω・`)

 

スマートフォンゲーム

任天堂のIPの収益化を肌で感じる出来事が2016年にあった。ポケモンGOの出現だ。日本だけでなく世界でヒットする可能性を秘めたキラーIPの存在は大きい。実際に2017年1月現在、コナミ、セガ、バンナム、スクエニは、スマホゲームでの収益化に大成功し、業績を急回復させている。任天堂も本腰を入れてスマートフォンゲームに取り組めば、上記の企業以上の儲けを期待できるだろう。ただし、実行に移すかどうかは任天堂の判断なので、予想が難しいところだ。

 

ニンテンドースイッチ

決算説明会での質疑応答、NX(任天堂スイッチについて)

次にコストの考え方ですが、前提としてハードを採算割れで出すという考え方はしていません。

これが本当ならば、今までとは違う展開になってくる。今までは売れば売るほど赤字になる上にソフトが売れなくて資金回収できない苦しみを任天堂は味わってきたが、それが変わってくる。本来魅力的な商品ならば、採算割れのようなことをしなくても良いとまつやんは思う。iphoneがその顕著たるものだ。任天堂は優れた製品を作るコンセプトを持っているのだから、今回その点について回帰できるのは評価したいところ。

 

注目の新規IP:ARMS

 

面白いコンセプトのゲームだと思う。e-sportsを意識したものではないかと騒がれているが、まつやんが最初に思ったのはVRコンテンツとして面白そうだなと思った。任天堂はVRにまだ参入表明していないが、研究費はそれなりに使われていると思われるので今後、VRでのキラーコンテンツが生まれれば、復権も十分にあり得るだろう。

 

まとめ

 

まつやん的には中立、ニュートラルのスタンス。今の時価総額は期待込みのものであるし、その期待に応えられない可能性を考えると安易に買いを選択できない。特に現在は株価の方向的に下向きだからだ。新しい材料が出てからが勝負になりそう。

 

買い煽り

  • 任天堂IPの価値はこんなもんじゃない
  • ニンテンドースイッチが流行れば、上場来高値も意識
  • 新規IPの売れ行きに期待
  • 2017年は任天堂のスマホゲームのリリースラッシュで株価は盛り上がるはず
  • ナイアンティックの上場観測きたら、もうワンチャン!

 

売り煽り

  • 任天堂は過剰に期待されており、信用買いの投げでさらに株価は下落するだろう
  • 最近の業績から見れば、事業価値は過大評価されている
  • スマホからライト層は、高価なハードを買うことはもうないだろう

 

投稿日:
カテゴリー: 任天堂

作成者: まつやん

IT勤務。ゲーム好き。