ガンホー、ミクシィ、コロプラなど巨大な新興企業を生み出してきたスマホゲーム業界。2018年と2013年付近ではどう変わってきているのか?業界地図の移り変わりと、今後について解説。
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レッドオーシャン化は顕著
ゲーム開発費の高騰がまず挙げられる。そして、売れない。売るのが難しい。これはなぜかというと、スマホゲームはオンラインゲームで人気がある限りほぼ永続的に続く。
現在のところ潜在ユーザーは既にいずれかのゲームをしているので、新作ゲームは、既存ゲームから顧客を奪わなければいけない。これは相当難しい。次の節からはスマホゲームの歴史を振り返りつつ、現在までの道のりを見ることで、今後を予測していく。
ガンホーのパズドラの大ヒット
パズドラが流行した時は、スマホそのものが普及していなかった時代である。その中でスマホユーザーの増加と共に指数関数的に売り上げ、利益を伸ばしていったのがガンホーである。
スマホゲームの初期段階であり、今のスマホゲームの体系を作ったのがパズドラであると言えるだろう。非常に大きな役割を果たした。その後にヒット作に恵まれなかったのは残念ではあるが、根本的なゲームの発想は間違ってなかったと思う。
スマホゲームのリッチ化には気づていたが、IPの重要性にまだまだ気づいていなかったと思われる。
コロプラの台頭
スマホゲームで2番目のTVCMを打ったのがおそらく黒猫のウィズというコロプラのクイズゲームだ。2018年でも顧客はいまだに居続ける。この頃はまだまだスマホゲームのCMが全然なかった時代。
今ではCMだらけなので不思議に思うだろうが、そういう時代もあったのだ。だからこそCMの効果というものが絶大であった。顧客を掴んだ、コロプラは大きく躍進した。
コロプラに関しては、その後のスリングブレイブショットというゲームが存在したが、これは後述するミクシィのモンスターストライクに設計が似ているゲームだった。
しかし、モンストの方がリリースが早く、ブラッシュアップされていたので覇権を握ることはできなかった。同時に白猫プロジェクトで大ヒットしたものの、マルチプレーの仕掛けという意味では、モンストに後れをとる。モンストがなければコロプラはもう一回り大きな会社になっていたと思われる。
そういう意味では馬場社長はセンスがあるかもしれない。
ミクシィのモンスターストライク
2018年でも一番人気のモンスト。CM乱世になる前の最後のゲームではないだろうか?通信環境がLTE通信などで整い、マルチプレーが可能になった時代に上手く適合した作品である。
テクノロジーの進化にゲームを適応させることができれば大ヒットする可能性があるのだなと認識させられるスマホゲームだ。パズドラのUIを意識というか、パクリというか、良い部分は積極的に取り入れる姿勢も良かった。
またSNSのミクシィだけに、CMや交通広告などでブランディングするのもうまかった。今ではどこのスマホゲーム会社も広告運用がこなれてきているが、その当時のミクシィはさすがだなとうならせるものがあった。
CM乱世の中で生まれたMMO、ログレス
AIMING開発で、マーベラスのパブリッシングであるMMOゲーム、ログレス。CM乱世に登場したので、CM効果はそこそこではあったが、それでも非常にヒットしたし、AIMINGが上場出来たのはログレスのおかげであると言ってよいだろう。
MMOというジャンルにおいて、スマホで大ヒットさせたのはログレスが日本では初めてではないだろうか?本来ならガンホーがラグナロクでやらなきゃいけなかったものだとは思うのだが。
この頃から、スマホゲームは大ヒットしにくくなってきたなと思う。
IPゲームに人気が集まり始める
その後、ドラゴンボール、FGO、ワンピース、ラブライブなど強力なIPが幅を利かせるようになり、ユーザーの熱量が既にあるものにヒットが集中することになった。また、ゲームそのものがパイの食い合いになってきており、新作のヒット率が激減している。
ゲームのクオリティも上がっており、またゲーム内でオリジナリティを表現するのも難しくなってきた。
2018年現在では、もはやIPも出尽くし感があり、スマホゲーム業界で大ヒットは難しい状況だ。その中でも生き残れるとしたら、継続的にIPを輩出している、バンナム、コナミ、セガなど大手ゲームパブリッシャーになるだろう。
漫画や小説の原作で面白いゲーム性を実現できるか?難しいがそれにかかっている。
DENA、グリーの携帯ゲームの末期もこんな感じだった。ゲームの中に新規性が求められるのだ。そういう意味では今後はVRなどの新しいテクノロジーにも注目しなければいけないのだろう。
VTUBER、VRなどその辺も追っていき、ヒットの形が作られるのを待つべし。ちょうどガンホーがパズドラを開発しヒットさせた時の再現はどの企業が成し遂げるのか注目だ。