トランプ関税が自動車産業に大きな影響を及ぼす可能性があることは、既に述べてきた。
さっそく、BMWの下方修正につながっている。当然の話だが、価格が上がる、あるいは税金が上がればそれはコスト増だ。当然企業業績にはマイナスである。
トヨタ、日産などの日本自動車メーカーの未来
最近では円安の恩恵を受けて、好業績だが、これ以上の円安はない。コストカットはトヨタの得意技ではあるが、限界があるだろう。
そこにアメリカの関税政策である。はっきり言って、見通しは悪い。さらに言えば、自動運転車の競争もここから加速してくる。
自動車業界にとって変革期真っただ中であり、その中で米国シェアを維持、獲得していく中で非常に困難な状況だ。
世界的に囲い込み貿易が加速してしまう可能性
日本は輸出の国である。そのような国にとって、保護主義貿易、今のトランプ政策のような自分の国だけ利益を集中させるような政策は相性が良くない。
今はアメリカが中心になっているが、これがヨーロッパなどに飛び火するとまた、日本の自動車メーカー。特に、トヨタ、日産あたりは大ダメージになってしまう。
トランプも現在の自動車産業における転換点を意識しているのだろう。アメリカの自動車産業の復活にかけている節もある。
アメリカの企業ばかり優遇され、日本の企業は追い出される。アメリカ市場は日本車にとって非常に魅力的で収益源である。
特に日本車はコストパフォーマンスの良さで選択されていることが多い。高級車と違って、単純に値上げで対応できるようなものでもない。
トヨタの下方修正は覚悟すべき
電気自動車へのシフト、自動運転車へのシフトが進んでいる中で、さらに関税問題。先行き不透明な中で、トヨタの下方修正の可能性は十分にある。
もっとも、PERで見ると、ある程度織り込んでいる節はある。
ただ、だからと言って安心していいわけではない。どこで踏ん張れるかがカギになる。関税問題は国の政策だ。どうしようもない。
しかし、EV、自動運転の領域で経営的な勝利をおさめることはできる。
幸い、危険なライバルと思われていた、テスラは非常に困難な状況にある。トヨタの自動車生産技術の高さが再び認識されるような状況でもある。
自動車の安定生産というのは非常に難しいのだ。
豊田章男社長を筆頭に、この変革期を乗り越えようとするトヨタ。危機意識はあると思う。2025年ぐらいまでが大きな勝負なるだろう。
株主としても、緊張感をもって見守らなければいけない、そういう局面にある。